奏恋心 OFFICIAL

EPISODE 01

氷雪の賢人 ―蒼き誓い―

EPISODE 01 のメインビジュアル。青と黒のドレス姿で、青いバラを手に赤いソファに腰掛ける

2026年8月13日。

池袋Lavis。

その朝、奏心(イノリ)の心は、不安でいっぱいだった。

歌声はまだ安定せず、思うように声を響かせることさえ難しい。

前世では味わったことのないほどの不安と緊張。

それは、試練に立ち向かうという勇ましいものではなかった。

ただ、目の前のことで精一杯だった。

それでも、決して忘れたくない想いがあった。

一人でも多くの人に、楽しいと思ってほしい。

自分の歌で、誰かの心を少しでも明るくしたい。

その想いを届けられるのか。

不安は消えない。

それでも彼女は、精一杯踊った。

胸から溢れる想いを、一つひとつ歌に変えて。

ただ、心のままに。

今の自分にできる、すべてを込めて歌い切った。

そして、その歌声は――

遠い記憶へと繋がってゆく。

懐かしい声が聞こえた。

初めて聞くはずなのに、ずっと昔から知っているような声。

きっと転生する前も、そのさらに前からも。

ずっとそばで支えてくれていた。

そう感じさせる、優しい声だった。

その人が何を考えているのかは、少しわかりにくい。

けれど、彼女を見つめる瞳は、どこまでもまっすぐだった。

どのような姿になろうとも。

どれほど不完全な存在であろうとも。

ただ、ありのままの彼女を慈しむ、優しい瞳。

彼女は知っていた。

この人は、自分を支えてくれる賢人なのだと。

氷雪の賢人 かずや。

固き石のような意志を持ち、揺らぐことなく支え続ける者。

その愛は何よりも深く、いかなる姿の彼女をも肯定する。

世界を支える氷柱のごとく逞しくありながら、

その本質は水のごとく、万物に合わせて姿を変える。

強さと優しさ。

揺るがぬ意志と、変化を受け入れる心。

そのすべてが、奏心の胸に静かに届いた。

そして――

彼女の心に、氷の力が宿る。

氷雪の賢人 かずやが、祈りを捧げる奏心の頭にそっと手を添えるクライマックスイラスト

蒼き誓いは、ここに立てられた。

THE FIRST SAGE

氷雪の賢人 かずや

氷の加護